料理を楽しくするコツ。それは、レシピを見ずに、経験や勘で作れるようになることだと思います。
レシピを見ながら作る料理は、逆に苦痛です。覚えることが多すぎて、自分のものにならない感覚があるからです。それよりは、レシピなんか見ないでやってみて、ちょっと失敗してもいいから、自分の責任で具材を決め、調味料を配合する。
こうすると、どんどん料理が自分のものになり、楽しくなっていきます。
今日は、私が料理を楽しめるきっかけとなったエピソードの話です。なかなか自分で料理を楽しめない、献立を考えるのが億劫だ、などの料理アレルギーを持つ方のヒントになるかもしれません。
レシピサイトに振り回されない
日本最大級レシピサイトのクックパッドを見ると、あらゆるレシピに、具材・調味料の分量が丁寧に書いてあります。
私たちは日本に住んでいますから、和食をメインに料理を作ることが多いでしょう。
例えば肉じゃがを作るにしても、生姜焼きを作るにしても、そこには調味料と、その配合比率が説明されています。
醤油は大さじ何杯いれましょう、みりんは大さじ何杯です、お酒は大さじ何杯で、砂糖は大さじ何杯…
という風に、レシピサイトにはちょー細かく書いています。適量、なんて表現は許されない、というような風潮さえあります。
料理があまり好きじゃなかった頃は、
料理が上手くなるには、このレシピ配合1つ1つ覚えなきゃいけないのかぁ〜、料理を作るのって大変だなぁ、めんどくさいなぁ
なんて考えていました。
でも、この考え、実は違うんですよね。
自分自身で料理を作ろうと思ったらレシピの配合は1度忘れた方がいい。
気をつけるべきはたった一つ。塩加減さえミスらなければ、大抵の料理は美味しくなります。
全世界で共通の調味料は「塩」だけ
昔、ぼんやりとテレビ番組見ていた時のことです。
その番組では、海外の、確かイタリアに住むイタリア人のおばあちゃんに、お孫さんが新しいストウブ鍋を買ってプレゼントする、という話でした。
新しいストウブ鍋をもらって、おばあちゃんはたいへん嬉しそう。早速、孫のために新しい鍋で野菜スープを作ってあげよう、となりました。なんと平和な話なんでしょう。
そのとき作ってた野菜スープ。おばあちゃんは野菜スープに塩しか入れませんでした。おばあちゃんによると、美味しい野菜スープを作るには塩だけで充分なのじゃ、ということでした。
ここで私ははっとしました。目から鱗が三枚から四枚落ちるのを感じました。
そうか、当たり前だけど海外には醤油もみりんもお酒もないのか。
醤油・みりん・お酒の配合っては、私たちが日本に住んでいて、和食が大好きだから必要なだけであって、世界全体で見ると、醤油・みりん・お酒を使わない料理の方が圧倒的に多いのか。
じゃあ、醤油・みりん・お酒って使わなくても美味しい料理って作れるんじゃん。
究極的には塩だけで十分なんじゃない?
だって、全世界で共通している調味料は塩だから。
こんな風に感じたんですね。
これが私にとって、たいへん大きな気づきでした。
料理の原則が学べるおすすめ本
それ以来、私は結局塩加減さえコントロールしちゃえば味はなんとかなる。塩加減のコントロールだけ気をつけよう。こういう風に考えて料理をするようになりました。
原始時代の私たちの祖先は、とてもシンプルに、醤油・みりん・酒などは一切つかわずにご飯を食べていたわけで、
そう考えると、料理とは、塩さえあれば何でも美味しく食べれるんだと分かります。欲しい塩加減をイメージしながら、料理を作る。これだけです。
塩加減さえ守ればいい。この考えは、料理を自分のものにしたいと思っていた私に、とても大きな武器を与えてくれました。
そう考えてたとこ、こういう本に出会いまして
塩というのは、体内の塩分濃度と同じ量の同じ濃度の塩を取れれば大体美味しくなる。その濃度は、おおよそ食べ物の重量の0.8%の塩分である。ということでした。
そして何故0.8%なのかというと、体内の塩分濃度が0.8%だから。体内の塩分濃度と一緒なら、ちょうど良いと感じる。逆にそれより高かったり低かったりすると、物足りなく感じる。
なるほど〜、おもろ!
私の料理の腕が一つ上に上がった瞬間でした。0.8%。これさえ守っていればいい。
まとめ
こんな感じで料理というのは何か複雑な組み合わせのように見えますが、根底に流れる原則を知ってしまえば、あとはいくらでもアレンジがきくものであります。
理科の実験をするように、自分の目分量で料理をしてみて、失敗しながら物にしていく。その時のルールは塩加減。これを意識していれば、あとはどうにでもなる。
料理はもっと自由なもの。料理は楽しいもの。
沖縄の方言に、適当なことを「テーゲー」と言いますが、
料理なんて、もっとテーゲーでええんよ。