みりんと酒。
料理をはじめた頃の自分には、何のために存在しているのかわからない調味料がたくさんありました。みりんと酒はその代表格でした。
醤油・みりん・酒の仲良し三兄弟
日本に住む私たちは和食文化のなかで生活していますから、自炊しようとレシピサイトを開くと、そこには必ず醤油・みりん・酒の仲良し三兄弟がおります。君たち、そんなにいつも一緒にいて、嫌にならないのかい?と問いかけたくなるほどです。
三兄弟のうち、醤油は唯一、味のイメージがある調味料でした。寿司やお刺身でよく食べていましたから。
一方で、次男みりん・三男酒は、直接味見をしたことがないこともあり、「君たち、なんでここにおるん?」状態でした。
みりんの味、料理酒の味、と言われて、皆さん頭の中でイメージ湧きますか。
みりんと酒を、そのまま飲んでみた感想
全然イメージが湧かなかったため、みりんと酒をそのまま飲んだことがあります。もちろん味見程度です。
意外な発見だったのが、料理酒って塩辛いということでした。料理酒って、日本酒じゃダメなのかなと、ずっと不思議だったのですが、料理酒というのは塩分が入っているから、日本酒とは全く違うものなのです。そのまま飲んじゃダメ。
みりんは、ほのかな甘みを感じました。みりんは、もち米から出来てるんですよね。ご飯を噛んでいると、次第に甘くなってくるのと同じで、お米由来の調味料なので、甘みがあります。
結局は、塩味と甘味のバランスなのだ
この二つを味見して理解しました。みりんとは何なのか、料理酒とは何なのか、自分の言葉で説明できるようになりました。
みりんとは、つまり【甘味】。料理ににもうちょっと甘みを加えたいなぁと思った時に、みりんを入れます。砂糖でも同じ効果が得られます。だから、みりんがなければ砂糖を入れてもいい。
料理酒とは、つまり、【塩味】と【アルコール】。料理にアルコールを使う理由は、臭みが消えること。お肉やお魚など、そのままだと食べる時に臭いが気になるものにアルコールを使う。それに、ほんの気持ち分、塩分を足している。これが料理酒です。
醤油・みりん・お酒というのは、つまるところ、塩味・甘味・アルコール。このうちアルコールは、臭みを消すためのものですから、添え物的な役割に過ぎません。つまり、残るは塩味と甘味。要は、塩味と甘味のバランスなのだということ。
塩分と甘みを入れると、ほとんどの料理がそれなりの味になります。困ったらとりあえず塩と砂糖を入れる。まあ、これでほとんどの料理は、味がそれっぽくなって、結果なんとかなります。
このうち、甘味は多少多く入れてしまっても問題ありませんが、塩は少しでも分量間違えてしまうとあっという間に料理を台無しにしてしまいます。塩の分量だけはしっかり量っておいた方がいい。
匂いが気にならなければ、酒は使わない
お酒を入れるのは、つくっているのが肉料理か魚料理だからです。一般的に、肉や魚は臭い。だから、とりあえずアルコールを入れて匂いを気にならないようにする。レシピにやたら酒が入っているのは、こういう理由です。
しかし、具材を目の前にして、特に匂いが気にならないようであれば、酒なんか使わなくてもいいのです。自分が必要ないと思えば入れなくてもいい。入れなくても、大して味は変わりません。
まとめ
みりんとは甘味。料理酒とは、塩味とアルコール。
調味料の立ち位置をざっくり捉えられたので「じゃあこれを足そう」「あれを引いてみよう」と応用が効くようになりました。
今回は話題にしませんでしたが、これとは別に「酸味」というのもあって、
味をつくるときは、塩見と甘味と酸味の3軸で考えると、味の組み立てがやりやすくなるき気がします。ちょうど、X軸とY軸とZ軸があって、その中でどの軸を伸ばして味に変化をつけたいのか、という風に考えるような感覚です。
そして今でも、新しい調味料に出会ったら、まず「直接舌で味を確かめる」ことを大切にしています。そのほうが、応用が効くからです。
調味料に縛られるのではなく、自分から調味料と友達になり、味見をしながら料理にあれこれ足したり引いたりしていく。
これが料理を楽しみ、レシピを見なくても作れるようになるコツだなと感じます。
塩加減については、次の記事で解説しています。