kaitoの日記

自分らしく行こう!

「海賊とよばれた男」を読み始めているが、めっちゃ面白い。主人公がカッコイイ。

最近、百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」を読み始めた。2012年の本屋大賞受賞。映画化もされている。

ずっと気になって読めていない本だったのだが、先日、認知症基本法の策定をリードした鈴木隼人議員のホームページを訪れたところ、鈴木議員が「何度も読み返えす」ほどの愛読書であることがわかった。じゃあ読んでみようと読み始め、現在上巻の半分がすぎたところにいる。

めっちゃおもしろい。

なので今日は、「海賊とよばれた男」の1/4を読み終えたタイミングでの感想をまとめてみようと思う。

一言でいうと、カッコいい男の物語である。しかも、実在のモデル(石油で有名な出光興業の創始者)がいるといことで、読者は「こんなすごい男が実在したのか、カッコいいな~」とため息をもらしながら読み進めていくことになる。

この小説の何がおもしろいかって、太平洋戦争終結直後の、会社倒産寸前の大ピンチから物語がスタートし、従業員を解雇すれば助かるにもかかわらず「従業員は我が社の資産。みんな家族だ。だから、誰ひとりとして解雇しない」と、あえていちばん難しいルートを進もうとする所から始まるのだ。しかも、この会社は現在も存続している。何をどうやったら、こんな絶体絶命のピンチを克服できるの?と読者はおどろき、答え合わせをするかのように本書をよんでいく。本当にうまくてできた小説で、そりゃ本屋大賞になるわと感心している。

主人公の国岡鐡造の商人としての考え方、生き方も魅力的で、読者はひるがえって自分はどうだと、仕事の姿勢を問い直す。

個人的に主人公の仕事における考え方に、真似したい好きなポイントがある

  • 商いの哲学: 主人公の商いの哲学は「消費者と生産者を直接つなげることで、価格を安く提供する。これを全国津々浦々に浸透させる」であった。中間業者がいなくなること、商品価格をやすく届けることができる。この哲学を、主人公は生涯通じて追い求めていく。 
  • 技術の理解: 主人公は技術への理解と先見性がある男だった。誰も見向きもしない石油に、海外のトレンドを見ながら将来性を見出す。石油を熱心に勉強し、灯油よりも安い軽油の利用をクライアントに提案し、性能をさげずにコストだけ下げることに成功する、など。
  • 苦悩とひらめき: 石油を販売するにも、承認がないと売れない、どうするか、と危機に立たされる。そのときふと「地上で売るとダメだが、海上で売ればいいのでは」と機転を利かせ、海上販売という抜け穴のような販路を開拓し、商売の命をつなぐ、など。

主人公の哲学で好きなのは「幸せを届ける」みたいな抽象的なことではなく「価格を安く提供する」という正義とわかりやすさを備えていることだ。ロマンと自己満足に逃げず、消費者ひいては日本国全体のメリットを包摂できる哲学であることが、すばらしいと思う。

また、それを気合と根性でなんとかするのではなく、技術への理解と先見性をもってドメインを貼り、苦悩とひらめきで成功に導いていくという、ある種王道なビジネスをやっていくことだ。技術への理解・先見性という点が、ロマン主義に逃げがちな私には眩しく映る。しっかり現実を見すえていてカッコイイ。

以上が感想。全部読んだら、また感想をこちらに書いていこうと思う。

 

余談:

読んだことある方は分かると思うが、解雇されることを「パージされる」と表現するのがカッコイイ。いつか解雇される日がきたら「今の会社?パージされちゃったよ」って言いたい。