普段ニュースを見ないので知らなかったのだが、アルツハイマー病の画期的な新薬「レカネマブ」がつい先日、承認されたのだそうだ。ということもあって、今日はアルツハイマー病の治療薬について、「アルツハイマー征服」を読みつつ、WikipediaやWebサイトを行ったり来たりしながら、調べ物をしていた。
「認知症の原因物質を除去する初めての治療薬」ということで期待があつまっている。これらのニュースを読んで私は「ものすごい画期的な新薬が開発され、今後アルツハイマー病の患者が激減していく世界が待っているのかも!」と期待していたが、どうやらそういうことではないらしい。
ただし、画期的な薬であることも事実で、その辺の理解が深まったので、今日はアルツハイマー病の新薬について書いていきたい。
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これまでもアルツハイマー病の薬は存在してて、いちばん有名なのが「アリセプト」という薬。服用すれば、アルツハイマー病の進行を遅らせることができる。
じゃあ今回の新薬「レカネマブ」はどうかというと、これも同じく進行を遅らせることができる薬。治るわけじゃない。
なんだ、じゃあ一緒じゃないか、となる。アリセプトもレカネマブも効果が一緒なら新薬を使う意味はあるのか?と。これは調べきれなかったのでわからないが、おそらく進行を遅らせる度合いは、レカネマブのほうが大きい。27%の進行抑制効果があるそうだ。
ただレカネマブは根本的に構造が違ってて、そもそも認知症は、アミロイドβというタンパク質が脳に沈着して、老人斑というシミができ、神経細胞を壊して脳をスカスカにすることで発生する。従来のアリセプトは、残された神経細胞を活性化させることで悪化を防ぐ薬なのだが、レカマネブは問題の根本であるアミロイドβに直接働きかける薬で、アミロイドβの蓄積をおさえたり除去することで、進行を遅らせることができる。
要は、これまでは対症療法的な治療薬でしかなかったのだが、新しく出たのは「遅らせる」という効果は同じであるものの、根本治療の可能性を秘めており「今後のポテンシャルに期待」な薬ということだ。
なるほどな~
ただ、アルツハイマー病の治療はようやく一合目に差しかかった状態で、完治への道のりはまだまだ遠い。エーザイが20年以上かけてようやく一合目にたどり着いたわけで、あと何年かかるのか。私が生きているうちに、五合目までたどり着けば上出来だ。
だとすれば、私の生きているうちには完治薬はみつからない。ならば薬の開発ではなく、「認知症」を社会がどう捉え、なぜ問題視されているのかに働きかけるほうが、結果的に私が理想とする社会に近づきそうな感があるよな。
…という感想をもったところで、今日の調べ物は終了。また明日ね。