kaitoの日記

自分らしく行こう!

ピンピンコロリ願望の何が問題か

理想の死に方は何か。私の場合、おじいちゃんになったある日、縁側でポックリ逝くことが理想である。痛みも苦しみもなく、眠るように死んでしまいたい。

私のように思う人は多いようで、最近知った言葉に”PPK”というのがある。ピンピンコロリの略で、怪我や病気で苦しまず、元気に長生きし、寝たきりにならずにコロリと死ぬという健康的な死に方を意味している。ちなみに対義語としてネンネンコロリで”NNK”、寝たきりの要介護状態で延命治療で死ぬことを意味する言葉もあるらしい。まじでうまいことを考える人もいるものだ。

だがこのピンピンコロリは、要するに突然死のことである。たぶん心臓麻痺とか、そのあたりの病気による死だ。それが理想の死に方なのかと問われると、たしかにそうじゃない気がする。また、危ない状態が数日続いたときと違って、周囲の心の準備もできていないから、家族や親しい人と最期の別れの時間をつくることもできない。そう考えると、ピンピンコロリは自分にとっても周囲にとっても、あまりいい死に方ではないように思う。

さらにピンピンコロリ願望には、要介護になって生きていくことへの遠慮が隠れているのであり、それはつまり「認知症や障害を持っても、長寿でよりよく生きてもらう」ことを許さない社会がそこにある、ということ。ケアが必要な認知症や障害者と一緒に生きていくことを、私たちが無意識に拒絶している社会であり、長寿=不幸な社会とも言える。

そう考えると、ピンピンコロリの願望は、考えものだと思う。「迷惑をかけずに死んでいきたい」という願望を抱え込ませる社会のほうに、何か問題があるんじゃないかな。